訪問看護師に転職するメリットは?仕事内容や病棟勤務との違いを解説

転職の極意
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看護師として、今後の働き方やキャリアを考えるにあたり、訪問看護師という働き方に興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

興味はあるものの、

・一般病棟勤務とは何が違うのか?
・訪問看護師はどのような仕事内容なのか?
・一般病棟から転職した方はどんな感想を持っているのか?

など、転職を検討する際には色々なことが気になると思います。

そこで、この記事では実際に訪問看護師に転職した方の口コミや、訪問看護師の仕事内容など、訪問看護師について詳しく紹介いたします。

 

訪問看護とは?

訪問看護とは、看護師や他の医療専門家が患者の自宅や施設を訪れ、必要な医療ケアやサービスを提供する医療サービスの一形態です。一般的に、高齢者や体が不自由な方、長期間の療養が必要な方、慢性疾患の患者、そして回復期の患者などが訪問看護の対象となります。

主な目的は、患者が自宅や施設で最大限の快適さと安全性を確保できるようサポートすることです。

訪問看護は地域医療や家庭の医療体制を補完する重要なサービスであり、患者の生活の質を向上させる役割を果たしています。看護師や他の医療専門家による専門的なケアと心温かいサポートにより、患者が安心して暮らすことができるよう支援します。

   

訪問看護師が働く職場

訪問看護に携わる看護師の就業場所は、訪問看護ステーション、病院、クリニックになります。

近年は在宅医療のニーズが高まっていることもあり、一般社団法人全国訪問看護事業協会の訪問看護ステーション数調査によると、2010年から2020年までの10年間は看護ステーション数が伸び続けており、以降に関しても看護ステーションは増え続けると考えられています。

 

訪問看護師の仕事内容

訪問看護師は、地域の健康ニーズに応えるために専門的なサービスを提供し、患者が自宅や施設で最適なケアを受けられるようサポートする重要な役割を果たすお仕事です。以下に、訪問看護師の主な仕事内容をまとめました。

 

患者の評価とモニタリング

訪問看護師は、患者の健康状態を評価し、日常的な変化や医療ニーズをモニタリングします。また、日々の体温、脈拍、血圧などのバイタルサインの測定や、症状の確認も重要な仕事の一つです。

 

医療処置とケアの提供

訪問看護師は創傷の処理、点滴の管理、経管栄養の管理など、さまざまな医療ケアを提供します。

 

薬物管理

訪問看護師は、患者が正しく薬を服用しているかを確認し、必要に応じて薬の説明や投与を行います。また、副作用や相互作用についても注意を払います。  

 

健康教育とアドバイス

訪問看護師は、患者や家族に対して健康に関する教育やアドバイスを行います。疾患管理の方法や健康増進のための取り組みなど、自己管理能力を向上させるサポートを提供します。

 

ケアプランの立案と実行

患者の状態やニーズに応じて、訪問看護師はカスタマイズされたケアプランを立案し実行します。定期的な訪問や治療のスケジュールを調整し、継続的なケアを提供します。

 

家族や介護者との連携

患者の家族や介護者と密に連携し家庭内のケア環境をサポートするのも訪問看護師の役目です。家族のケアに対する理解やサポートを提供し、患者の安心とリカバリーを促進します。  



訪問看護師と病棟勤務の違い

訪問看護師と病棟勤務の主な違いは、医療ケアを提供する場所と患者へのアプローチにあります。
以下の表で、訪問看護師と病棟勤務の違いをまとめました。
 
項目 訪問看護師 病棟勤務
場所 患者の自宅や施設 病院や医療施設の病棟
アプローチ 個別のニーズに合わせたアプローチ 多数の患者に対して一定のスケジュールに基づくアプローチ
ケア範囲 慢性疾患、リハビリ、高齢者、緩和ケアなど 入院患者の急性期の治療やケア
スケジュール 患者のスケジュールに合わせた訪問 病院のシフトに従った勤務

訪問看護師は、患者の自宅などで個別のケアを提供し、患者や家族と密に連携してサポートを行います。
一方、病棟勤務の看護師は病院内で急性期の治療やケアを提供し、多数の患者に対して一定のスケジュールに基づいてアプローチします。

 

訪問看護師として働くメリット

訪問看護師として働くことは、看護師の専門性を発揮し、患者の生活の質を向上させる重要な役割を果たすことができるため、多くの看護師にとって魅力的な選択肢となっています。ここでは主なメリットを紹介していきます。

 

患者中心の個別化されたケアを提供できる

訪問看護師は患者の自宅や施設を訪れるため、患者中心のケアを提供することができます。患者の身近な環境でのケアは、心の安定や治療効果に良い影響を与えることがあります。また、家庭や生活状況を考慮しながら、カスタマイズされたケアプランを立案し、患者に最適なサービスを提供することができます。

 

患者との絆の構築

訪問看護師は患者と家族との間に密接な信頼関係を築くことができます。長期的な訪問により、患者との絆が深まり、安心感を持って治療やリハビリを受けることができるでしょう。

 

多様なケア範囲で幅広い知識が身につく

訪問看護師は慢性疾患、リハビリテーション、高齢者のケア、終末期の患者への緩和ケアなど、多岐にわたるケアを提供します。そのため、看護師として幅広いスキルを磨くことができます。

 

自由なスケジュール

訪問看護師は患者のスケジュールに合わせて訪問を行うため、比較的自由なスケジュールで働くことができます。夜勤もないため、身体的な負担も少なくなります。

   

訪問看護師として働くデメリット

メリットの一方でデメリットもありますので、紹介していきます。
   

家族との関わりが負担になることがある

訪問看護師は患者の自宅を訪れるため、家族や介護者との密接な関わりがあります。時には家族の感情やニーズとのバランスを取ることが難しく、ストレスになることもあります。

 

オンコール対応が大変

訪問看護師には利用者やその家族からの緊急の呼び出しに対応する「オンコール対応」があります。オンコール対応はいつ対応が必要になるか予測することは困難であるため、ストレスに感じる場合も少なくありません。

   

病棟勤務から訪問看護師に転職した方の口コミ

ここでは訪問看護師に転職した方の口コミを紹介します。

 

自宅でのケアにやりがいを感じる

病棟勤務では患者との時間が限られていましたが、訪問看護に転職してからは、患者の自宅でのケアを提供することでより密接な関わりが持てるようになりました。患者や家族との絆を築くことができ、ケアの成果を直接感じられるのが素晴らしいです。

 

患者の生活全体をサポートできる

病棟勤務では入院期間中のケアに限定されていましたが、訪問看護に転職することで、患者の自宅での生活全体をサポートできるようになりました。家庭や社会環境を理解し、患者のニーズに合わせたケアプランを立案できるのが良い点です。

 

柔軟なスケジュールが魅力的

病棟勤務では固定のシフト勤務でしたが、訪問看護に転職してからは、患者のスケジュールに合わせて訪問できるため、柔軟な働き方ができるようになりました。自分の時間を管理しやすくなり、ワークライフバランスが改善しました。

   

まとめ

訪問看護師の仕事は病棟勤務とは異なり、利用者のご自宅へ訪問してケアを行う仕事であるため、患者や患者の家族と密接な関係を築くことができ、トータルサポートができるやりがいのある仕事です。

一方で自分1人での適切な判断が求められたり、オンコール業務があったり、大変な仕事であることは事実です。

1日の対応数や忙しさ、給与体系は職場によって大きく異なりますので、転職検討時には転職エージェントを利用して、職場の情報を集めることが重要です。

訪看ナース.comでは、転職を希望する職場の情報はもちろん、その他の求人のご紹介や面接対策、書類作成のお手伝いなども実施しています。

訪問看護に興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。